離乳食Q&A
○食べる量にむらがあります
A 始めたばかりの量のむらはあまり気にしなくても大丈夫です。
始めのうちはそのときの機嫌やミルク・おっぱいの飲み具合等で食べる量にむらがあることがありますのであまり気にしなくても良いです。
しかし、離乳食が進んで3回食になったときにむらがあるようであれば、生活リズムや離乳食以外に甘いおやつなどを食べていないか等、見直してみると良いでしょう。
○果汁はあげなくていいのでしょうか
A 離乳食を始めるときに果汁から始める必要はありません。
以前は、離乳食開始前にスプーンの練習を果汁から始めましたが、果汁には糖分が多く満腹になりやすいため、5~6ヶ月の赤ちゃんにとって最適の栄養である乳汁(育児用ミルクや母乳)の摂取量が減少することが心配されます。
通常生後5~7ヶ月頃にかけてスプーンが口に入ることに慣れていくので、スプーンの使用は離乳食開始後、おかゆから始めて良いです。
もし、果汁をあたえる場合は市販の果汁粉末やジュースではなく、果物を絞って白湯等で薄めてあたえるようにしましょう。
○始めるタイミングがわかりません
A 子どもの発達を目安に、機嫌のよい午前中に始めましょう
子どもの発達の目安としては、首のすわりがしっかりしている、支えると座れる、食べ物に興味を示す、スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる等が見られたら離乳食を開始しても大丈夫です。
お子様の機嫌の良い、出来れば午前中に始めると良いでしょう。
○早産の場合でも5~6ヶ月から離乳食を始めた方がよいのでしょうか
A 医師と相談しましょう
どの程度早く産まれたのか、また発育の状態等により、5~6ヶ月よりも遅らせた方が良い場合がありますので、いつから離乳食を始めたら良いのか医師と相談しましょう。
○離乳食を始めるのが早すぎたり遅すぎたりすると、どんな影響がありますか?
A 早すぎると消化機能が追いつかずアレルギーの心配があったり、逆に遅すぎると成長に必要な栄養素が足りなくなることがあります。
離乳食を始めるのが早すぎると、スプーンを押し出す反射が残っていて口の中に食べ物を入れることが出来なかったり、消化機能の発達に追いつかず、消化不良等を引き起こしてしまう可能性があります。逆に、遅すぎると、鉄などの不足する栄養素がでてきます。月齢により、消化酵素をうまく出すタイミングと進め方がありますので、早産や発育不良等がない場合は出来るだけ5~6ヶ月のうちに開始し、離乳食を進めるのが良いでしょう。
○離乳食を始めて下痢をしてしまいました
A 離乳食をあげる場合は食材に気をつけ、落ち着いて赤ちゃんの様子を観察しましょう
赤ちゃんに元気がなく、食欲もないようでしたら離乳食は中止します。下痢が続くようであれば医療機関に受診しましょう。また、特定の食品を食べたときに下痢をしてアレルギーかもしれないと思うようなときも医療機関を受診しましょう。
下痢が軽く、赤ちゃんが元気で食欲があるようなら、水分を補給し、おかゆなどの炭水化物を中心にあたえて様子を見ます。
下痢の時にあたえる食材として避けたいものは繊維の多い食材(キャベツなどの葉物野菜等)です。お腹を刺激しない、やわらかく消化のよい炭水化物(おかゆ等)を中心にしましょう。
○たんぱく質はアレルギーが心配でためらっています
A たんぱく質は赤ちゃんの成長にはとても大切な栄養素です。食材をあたえる順番、種類、タイミングを守りゆっくり進めていきましょう。
たんぱく質食品に多く含まれるたんぱく質や脂質の消化酵素がたくさん出始めるのは7~8ヶ月頃と言われています。糖質の消化酵素の分泌が良くなる5~6ヶ月ころからおかゆ・野菜を始め、脂肪分が少なく軟らかくて消化のしやすい豆腐や白身魚を少しずつ練習することで、7~8ヶ月頃にはたんぱく質や脂質の消化酵素がたくさん出てくる様になってきます。
早い時期に消化しにくい食材(脂の多いものや硬いもの)をあたえてしまうと消化不良等を起こすことがありますので、気をつけましょう。
初めての物を食べさせるときは赤ちゃんの体調のよい日を選び、新鮮な食品で、十分に火を通したものをあたえます。1日1種類ずつひとさじから始め、赤ちゃんの皮膚や便の状態を見ながら徐々に進めていきましょう。
もし、ご両親や兄弟に食物アレルギーがあるなど心配な場合は、自己判断せずに医療機関に相談しましょう。
○離乳食の時間になると、おっぱいを欲しがり、離乳食が進みません
乳汁(育児用ミルクや母乳)をあたえる時間が決まっていない場合にはある程度時間を決めて、リズムを整えましょう。
授乳時間がバラバラで赤ちゃんが泣いたらすぐ乳汁をあたえていると、赤ちゃんに空腹の状態がなく泣けばすぐにおっぱいをもらえると思うのでなかなか離乳食を食べてくれないことがあります。授乳の間隔を3~4時間ほど空けるようにし、リズムを整えていきましょう。リズムが整ったら授乳時間の1回を離乳食に変えましょう。
また、赤ちゃんによっては授乳時間が整っていたとしてもおっぱい等を先に欲しがることがあります。もし授乳のあとでも離乳食を食べるようであれば先に少しだけ授乳しても良いかもしれませんが、授乳後離乳食を食べないようであれば時間をずらしたり、食に興味をもたせる工夫をしましょう。
○薄味の目安は?
A 大人が味見をして、美味しいと感じない程度です。
赤ちゃんが食べるのであれば、離乳食の間は味をつけなくても大丈夫です。味をつけるとしたら離乳食後期になってからにしましょう。必ず大人が味見をして美味しいと思ったら赤ちゃんにとっては味が濃いですので、味があるのかないのか分からない程度にすると良いでしょう。
○市販のだしや調味料は使ってもいいですか?
A 離乳食初期・中期は使わない方が良いです。だしを使う場合はできるだけ天然のだしをつかい、調味料は後期以降に薄味になるようにとどめましょう。
市販のだしや調味料には塩分や糖分が入っています。早い時期から使うと、濃い味でないと食べられなくなってしまったり、塩分の摂りすぎで内蔵に負担がかかります。塩分の心配の少ない天然のだしを使ったり、後期以降に調味料を使う場合も、大人が味見をして味があるのかないのか分からない程度にすると良いです。
○おやつはいつから与えていいのでしょうか?
A 離乳食が完了してからにしましょう。
おやつの目的は、3回の食事では摂りきれない栄養を4回目の食事として補うことです。
5歳までの幼児は胃が小さいため、必要な栄養を十分に摂りきれないことがあります。その栄養を補う食事がおやつですので、甘いお菓子やジュースばかりでなく、カルシウムや鉄、エネルギー、たんぱく質を補う目的で、例えば牛乳・乳製品、果物、芋類、おにぎり等をおやつとして出してあげるようにしましょう。
また、おやつの目安としては1~2歳児は1日2回(食事との間隔を2時間以上空けて)、1回に50~100kcalを目安に出してあげましょう。3歳以降は1日1回、1回に125~200kcal程度を目安にしましょう。
○後期に入ったころから急に食べなくなりました
A 食事に変化をつけましょう。
離乳食は内容がマンネリ化しやすいですので、赤ちゃんはいつも同じ食事、同じ調理方法だと飽きてしまうことがあります。後期になると3回食になりますので、できるだけ大人の食事を取り分けてバリエーションを増やしていきましょう。しかし、味付けだけは大人と同じにすると濃いので味をつける前、もしくは薄味で取り出すと良いです。
また、味を全く付けていない場合は天然のだし汁を使ったり、少量の味付けをしてみるのも良いでしょう。
自分で食べたい欲求を大切にしていますか?
このころになると、赤ちゃんによっては自分で食べたがり、食べ物やスプーン、皿などの食器に手が出るようになります。大人から見ると遊んでいる様に見えますが、食の自立の始まりですので、大切にしていきましょう。
遊んでいると思って、怒ったり、食器等を取り上げたりを繰り返すと食べたい欲求を押さえつけてしまいますので、自分で食べたがらなくなることがあります。赤ちゃん用のスプーンを用意してあげたり、汚れても良いようにしてあげ、ある程度は赤ちゃんの好きなようにさせてあげましょう。
食材の固さや大きさは合っていますか?
食材の大きさや固さが変化すると急に食べなくなったり、口に入れたものを吐き出したりすることがあります。何回かして慣れてくればいいのですが、慣れない場合は一段階前に食べていた固さや大きさに戻してあげましょう。赤ちゃんの様子を見ながら徐々に変化させていきましょう。
また、後期になると上あごと下あごが合わさるようになってくるのでかむ練習を始める時期になります。赤ちゃんはかむことを知らないので、周りの大人が声かけをしながらどうやってかむのかを教えていく必要があります。
○離乳食は1回にどのくらいの量をあたえたら良いですか?
A 各月齢の目安を参考にしてください。
5~6ヶ月 7~8ヶ月 9~11ヶ月 12~18ヶ月
※量はあくまで目安です。赤ちゃんの様子(食後の機嫌、便の様子、体重等)を見ながら加減しましょう。
○フォローアップミルクは9ヶ月になったら、必ず飲ませなければいけませんか?
A 全ての赤ちゃんが必ず飲まなければいけないものではありません。
フォローアップミルクとは母乳または育児用ミルクの代替品ではなく、牛乳の代替品です。必要に応じて(離乳食が順調に進まず、鉄の不足のリスクが高い場合など)使用するのであれば、9ヶ月以降とします。